1ff20e57.jpg1 :ライトスタッフ◎φ ★:2010/01/14(木) 17:43:19

賛否両論の渦巻いた事業仕分けの中でもとりわけ注目を集めたのが次世代スーパーコンピュータだろう。学界、産業界からの強い反発を受けて、鳩山首相から「凍結見直し」が示唆されたが、現政権の国家戦略・百年の計のなさをはしなくも露呈する結果となった。

民主党のマニフェストにも「科学技術の育成」はうたわれている。しかしターゲットが不明なうえ、育成のために何をすべきかすらもまったく見えない。政策の骨格が見えず、予算削減という目先の目的一つで政策自体がぐらつく。この政権に対する産業界の不信は根深い。

開発が中断し、ロードマップが途切れると、その遅れは二度と取り戻せない。単にその期間分の遅れにとどまらない。産官学の共同研究は、いったん解体されると二度と同じメンバーを集められない。

さらに、スーパーコンピュータ開発の遅れは、他分野の研究にも多大な影響を及ぼす。
医療、宇宙、気象など、さまざまな分野での解析・シミュレーションに不可欠なインフラだからだ。インフラが脆弱では、世界のトップをうんぬんする以前の話で、国際競争の中で生き残ることすら難しい。

資源の乏しいわが国にとって、唯一の資源は人材であり、中でも「ものづくり」を中核とした科学技術の力は、最も期待の大きい分野といっても過言ではない。しかし科学・技術開発のタイムスパンは長い。ハイビジョンテレビという民生技術でさえ、技術方式が考案されてから一般に普及するまで30年の歳月を要した。量子コンピュータの開発ロードマップも30年計画だ。長期にわたる技術開発だけに、現在の科学者、技術者だけで終わる話ではない。研究開発の継続性を念頭に置いた、教育による人材の育成もまた、計画の中に織り込まれねばならない重要な要素だ。国家単位での長期的視点からの下支えがなければ、企業努力だけではどうにもならない。

■人材確保に苦しむ情報産業

国の財政支援によって育成すべきは、スーパーコンピュータのような最先端技術だけではない。表面的には見えにくいが、今や情報産業は経済社会のインフラというべき重要な存在だ。資金、生産・販売、コスト、労務人事、決済に至る企業活動のすべてが情報化され管理されている。鉄道、航空など輸送の運行制御、高速道路のETCシステム、銀行のオンラインシステム、お財布携帯など電子マネー、自動車や家電製品の電子システムなど機器の組み込みソフトに至るまで、情報産業のバックグラウンドなしに経済も社会も生活も成立しえない。

IT産業のうちシステムやソフトウェア開発等サービス関連の市場規模は5兆円(IDC調べ)。
自動車産業の十分の一にすぎないが、重要性において他産業に決して劣るものではない。
にもかかわらず、人材の確保が非常に厳しい環境にある。

情報処理技術者試験を管轄している独法の情報処理推進機構(IPA)の集計によれば、情報系大学出身者の半数以上が情報産業以外に職を求めている。卒業生数自体、年間わずか2万1000人にすぎないのに、である。一方で情報系学生の新卒求人は情報産業と一般企業を合わせると、毎年7000人の供給不足だ。

※続く

◎ソース 週刊東洋経済
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100114-00000000-toyo-bus_all

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